改軌方法のルーツ 〜なぜ基本的にはカトー製品しか改軌できないのか?〜 |
具体的な改軌方法の前に、改軌加工のルーツを少しだけご紹介します。 それは車輪と車軸の構造にあります。 カトー製車輪の構造は、以下のイメージ図のように左右のピボット軸付きタイヤを中空スリーブで接続する構造です。 軸が左右で分かれている理由は、レール左右(プラスとマイナス)をショートさせないためです。 これは皆様もよくご存知だと思います。 この車輪構造は、一部の貨車などの集電しない車両を除いてほとんどの車種に適用されており、 カトー以外にもマイクロエースなどの大手鉄道模型メーカーで採用されています。 「だったらカトー製品以外も改軌改造できるのではないか?」 たしかに構造だけ見ればその通りです。しかし他にはなく、カトー製車輪にしかない特徴があったのです。 それは、ピボット軸をハンマーで叩くと動くのです。 それまで、"タイヤと車軸は一体整形品だ"という固定概念から、ハンマーで叩いてピボット軸が動くなんて夢にも思いませんでした。 さらに、細いドリル刃を使ってハンマーで叩いていくと、最後にはタイヤから軸だけを抜きとる事に成功したのです。 試しに元にもどしてみよう。先ほど抜き取ったピボット軸をタイヤに打ち込みました。 素晴らしい事に、カトーのタイヤ・軸は度重なる打ち込みと抜きとりでもほとんど軸穴が広がったり、曲がったりすることはなかったのです。 この発見が9mm→6.5mmに、つまり、Njゲージに改軌するきっかけであり、原則的にカトー製品しか改軌できない理由なんです。 この発見を応用し、Njゲージへの改軌改造をしています。 泰茅轍道の車両には、カトー製以外のものもありますが、車輪はすべてカトー製に交換、もしくはカトーに準拠するような車輪構造に改造しています。 では、具体的な改軌方法をご紹介していきます。 方法は大きく分けて長軸改軌と短軸改軌に分かれます。 |
長軸改軌とは? |
ちょうじくかいき |
台車台枠の幅を変えずに、車輪のみを内側に寄せて改軌する方式 |
上記写真は一般的なNゲージ鉄道模型用車輪(一部除く)の断面図です。 上がNゲージ(9mm)で、下がNjゲージ(6.5mm)です。 台車台枠の幅を変えないので、ピボット軸を外側に押し出して長さを稼いでいます。 長軸改軌は台車台枠の幅を変更しないので、 軸を飛び出させる量が一定で、大量生産しやすく、比較的簡単に改軌ができます。 (機関車・一部製品除く) 個人で初めて改軌をなさる場合はこの方法をおすすめしています。 |
短軸改軌とは? |
たんじくかいき |
台車台枠の幅と車輪を両方改軌する方式 |
上記写真は一般的なNゲージ鉄道模型用車輪(一部除く)の断面図です。 上がNゲージ(9mm)で、下がNjゲージ(6.5mm)です。 右がNゲージ(9mm)で、左がNjゲージ(6.5mm)です。 短軸改軌は台車台枠の幅も変更します。 上がNゲージ(9mm)で、下がNjゲージ(6.5mm)です。 写真は鉄道コレクションの台車で、中央カプラー部分でセンター割りをしています。 左がNゲージ(9mm)で、右がNjゲージ(6.5mm)です。 蒸気機関車の改軌も短軸改軌の応用です。 右が長軸改軌、左が短軸改軌です。 短軸改軌は、 精度を必要とする工作が多数あるため、飛躍的に難易度が向上しますが、 台車台枠までも幅を縮小するので、より実車に近い印象を得ることができます。 |
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